» omni-channel blog» AIが農業界に旋風を巻き起こす! ‐農業にAIが活用されている事例‐6選
2016年9月23日  サービス・事例紹介
このエントリーをはてなブックマークに追加
AIが農業界に旋風を巻き起こす! ‐農業にAIが活用されている事例‐6選

こんにちは! Leonis&Co.インターンの須藤です。

遠い遠い昔から私達の食生活を支えてきた農業。そんな大切な農業ですが、最近では後継者問題、異常気象、TPPなど課題の種が尽きません(農業だけに)。

今回は最先端テクノロジー〈AI〉が農業が持つ課題を解決する、そんなワクワクする事例を6コ、みなさんにご紹介させていただきます!

  

①自動仕分け機 AIがきゅうりを仕分け

Maker Faire Tokyo 2016で展示されて話題を呼んだのがこちら「自動きゅうり仕分け機」!

AIを扱うことのできるGoogleの公開ソフト「TensorFlow」を使った画像認識システムを搭載し、自動できゅうりを等級別に仕分けしてくれる、という代物。

驚きなのは、この最新鋭システムを搭載した仕分け機が、たった一人の個人農家の方の手作り、ということです。

 

 

発明者はきゅうり農家の小池誠さん。実家のきゅうり農家を継ぐ前は、自動車部品メーカーにシステムエンジニアとして勤務していたそうです。

小池家ではかつて、きゅうりを小池さんのお母さまが手作業で仕分けていました。繁忙期には8時間もかかるとか・・・。

   

cucumber_classification

これだけ等級があったら仕分けるのは大変・・・(引用元:http://workpiles.com)

しかしある日、Google の囲碁AI 『AlphaGo』がトップ棋士と互角に指し合う様子を見てびっくり。

AIがこれだけ進歩してるのなら同時期に発表されたAIのオープンソース『TensorFlow』を使えばきゅうりの自動仕分けもできるのでは?と思いついたのがきっかけだったとか。

初めて触れる人工知能に悪戦苦闘しながらも仕分け機の開発を進めていく様子が小池さんのブログに記録されています。

http://workpiles.com

小池さんのバイタリティたるや尊敬の念を抱かずにはいられませんが、一個人が課題解決の方法としてAIを選択する。AIはもうそれ程までに身近な存在になりつつあるという事ですね。注目を集めるこの仕分け機もまだ試作二号機だそう。これからどう進化するかワクワクしますね。

   

②PlantVillage AIが農作物を健康診断

農家には深刻な農作物の病気。その診断をAIにさせてしまおうというソーシャルメディアがこちらの『PlantVillage』

『PlantVillage』に搭載しているアプリケーションでは健康な葉っぱ、病気の葉っぱのそれぞれの写真をAIに記録させ、そのパターンを学習。

学習したパターンをもとに、農作物の健康状態を自動判定する事ができます。 注目すべきは、AIの学習の為にソーシャルメディアを活用した、という点です!

  

   

開発者はペンシルヴェニア大学の生物学者デヴィッド・ヒューズ准教授とスイス連邦工科大学の疫学者マーセル・サラス准教授。

彼らが『PlantVillage』のサイト及びアプリの開発に着手したのは、農作物の病気問題への課題意識から。ヒューズ准教授は牧場で働いていた頃に凶作のひどい爪痕を見たことがあったそうです。

        

photo-576x1024

アプリ『Plantvillage』の使用イメージ(引用:wired.com)

二人は『PlantVillage』で世界中の農家から集めた写真を専門家に診断させ、その結果をAIに学習させ続けています。

AIは学習素材が必要ですが、ソーシャルメディアを活用する事で、素材収集の飛躍的な効率化に成功しています。病気の原因を素早く正確に知り、無駄なく対処できるようになれば農業の低コスト化が期待できますね!

この『PlantVillage』、日本にも上陸すれば食料自給率が低下傾向にある日本の農業の助け舟になる!・・・かも?

   

③Precision Hawk AIが農地を観測

これまで農家自身の足と経験が頼りだった農地のチェックも、今やドローンとAIがやってくれる時代です。

『Precision Hawk』ではなんとAI搭載のドローンによる自動情報収集システムが構築されているそうです。すごくないですか?

  

『Precision Hawk』はカナダの農業向けドローンを開発するベンチャー。

設立者のErnest Earon氏は、宇宙ロボティクスにおいて博士号を持ち、宇宙ロボットの開発に携わってきた生粋のエンジニアです。

    

section4 大空を舞うAIドローン(引用元:www.precisionhawk.com)

『Precision Hawk』のシステムによって、農家はほとんど農地チェックに体力を使う必要がなくなりました。

農家はドローンを投げて、回収するだけでいいのです。 後はドローンが自動で画像を撮影し、データをサーバーに送ります。

送られたデータの解析結果は農家が指定した形式で見ることができます、それもワンクリックで。 AI搭載ドローンは、キツい労働時間を、爽やかなコーヒータイムへと変えてくれたのです(想像ですが)。

『Precision Hawk』は農業だけでなく、他分野にもAI搭載ドローンを活用することを目指しています。一体どのようなシステムを開発するんでしょう。想像力が刺激されます。

  

④Prospera AIが農場管理
イスラエル発のベンチャー『Prospera Technologies』は、農場をすべてAIに管理させてしまおうという実に野心的な取り組みを進めています。

彼らが開発するシステムは、農場に設置されたカメラとセンサーが気温や湿度はもちろん、作物の病気や害虫の状態を検出し、さらにはその状態に合わせた水分や肥料の適量、採取時期や収穫量までを判断してしまうスグレモノ。

『Plospera Technologies』はヘブライ大学を卒業したDaniel Koppel、Raviv Itzhaky、Shimon Shpizの三人によって2014年に共同で設立されました。

   

「現実的かつ革新的なソリューションを農家に提供しよう」と思い立ち、より効果的で効率的なシステムを農家に提供していくことを目標としています。

  

main-content-image1(引用元:Prospera HP)

   

イスラエルは「第二のシリコンバレー」と目され、近年ITベンチャーの活況でにわかに注目を集めている国。と同時に、独自の感慨技術で食料自給率を95%まで引き上げた農業大国でもあります。

そんなイスラエルだからこそ、この夢のシステムには実現への大きな期待を寄せずにはいられません。まだ製品化には至っていませんが、Bessemer Venture Partnersから700万ドルの融資を受け、これからの活躍がますます期待されています。

しかしAIによる全自動管理なんて・・・SFの世界はもうすぐそこまでと!いった感がありますね。

    

⑤AGRI DRONE AIが害虫駆除
農家にとっての悩みの種、病害虫も、この『AGRI DRONE』なら自動で根絶やしにしてくれます(種だけに)。

昼は病害虫を見つけてピンポイントに農薬散布、夜には光源をぶら下げて虫をおびき寄せて電圧攻撃。この両方をAIによって自動でやってくれます。

2016年6月に、夜間にドローンを飛ばし害虫を駆除する実証実験を世界で初めて成功させて、期待を集めています。

開発したのは佐賀県の農林水産部佐賀大学農学部、ITシステム開発会社のオプティムの三者。

三者は2015年に『IT農業三者連携協定』を結んでいます。結成の目的は「楽しく、かっこよく、稼げる農業」を実現するため!産学官の連携で佐賀県から世界No.1のIT農業を輩出することを目指しています。

img_drone01

(引用元:optim.co.jp)

このAGRI DRONEは農家の「負担を減らす」ために開発されたもの。三者協定では他にもウェアラブル端末や画像解析を用いて「収入を増やす」取り組みも行っています。

数々の取り組みからこの三者連携協定の溢れんばかりのやる気を感じさせてくれます。 「楽しく、かっこよく、稼げる農業(公式サイト引用)」の実現を願わずにいられません。

https://www.optim.co.jp/it-industry/agriculture/case-study/tpa/

⑥Farmnote color AIが牛の体調を管理
最後は酪農です。

この製品、『Farmnote color』の使い方は至ってシンプル。端末を牛に取り付けるだけ。あとは自動でデータを採取し、サーバーに蓄積、それを基にAIが牛の健康診断を行ってくれます。

color-xl(引用元:farmnote.jp)

開発したのは株式会社『Farmnote』 北海道発のITベンチャーです。代表取締役の小林晋也さんは生まれも育ちも北海道。

TPPで北海道農業が壊滅するかも、という状況になって地域のために何ができるかと考えて自分の持てる技術を活かそうと創業したそうです。

color_relation_01

(引用元:farmnote.jp)

  

一頭一頭牛の体調を見ていくのは大変な労力がかかりますし、どういう状態なのかは経験がなければわかりません。

かなりの肉体労働を必要とする酪農家にはありがたいシステムですね。

  

まとめ:AIによる「21世紀の農業革命」はもうすぐそこに?
皆さんいかかがでしたでしょうか。

今回ご紹介させていただいた事例は、世界中で行われはじめている農業におけるAI活用のほんの一部です。

近い将来、AIが今日の農業を取り巻く課題の種をひとつひとつ摘み取っていってくれる事になるのでしょうね。今回ご紹介した事例が、世界の食料問題解決に繋がっている!というのは決して大げさではないはず。

私たちは今まさに、歴史の転換点に立っているのかも?

・・・ワクワクしますね!(終)